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2012年 04月 05日
WFPへ申し入れ
「脱原発の日のブログ」さんからの転載です。

WFPへ申し入れをしました 2012-04-01 17:33:46
テーマ:ODA途上国へ魚缶詰問題


WFP 国連世界食糧計画 御中

常日頃は、国際的食糧援助機関として世界の飢餓と貧困の撲滅に取り組まれていることに敬意を表します。また、昨年の東日本大震災に際しても、迅速なる支援を賜りましたことに、同じ日本にすむ一住民として感謝の意を表します。

原発事故から一年がたつ今、その「震災復興予算」と位置づけられた我が国の予算の中に、被災地で生産された魚の缶詰を買い上げて飢餓に瀕する国へ「支援物資として」送るという事業が含まれていることを、私たちは知りました。
 ご存知の通り、今回の震災では津波だけでなく放射性物質の拡散による被害も大きなものがあります。そして、放射能汚染に関する我が国の政府の対応は、残念ながら国際的に決して評価されるものではなく、多くの国が疑念を払しょくできない中で日本からの輸入を制限する事態となっています。日本は汚染加害国ともなってしまったのです。
 このような状態で、また海洋汚染に関してはその一端でしかない調査においてもかなりの汚染が見られる中で、被災地を中心に集められた海産物の缶詰はいくら抜き取り調査をして基準値以下であることが確認されたと説明されても、決して放射能フリーである保証はないと私たちは考えます。さらに低線量被曝や内部被曝の危険性は諸説あり、あえて申し上げれば、安全であるかどうかは「わからない」のが実情です。そして、その「分からない」がために、日本国内においても、「選択できる」人々はこれを敬遠しています。
 さて、問題は、その万全とは言えずこの国内でも敬遠されるものを「支援」と名付けて国費を支出し「選択肢のない」人々に提供するという人道的、倫理上の問題であります。復興支援であれば、これを買い上げ、国内において40歳以上などの比較的放射線の影響を受けにくい層で消費するなどの努力がまず行われるべきですし、また国際的な飢餓への支援であるならばより近い地域で調達したり、あるいは「被災地の魚の缶詰」などと物品を限定するのではなく被援助地域のニーズを優先すべきでしょう。日本国政府はこの努力をしていません。
まして、支援として提供される食料品は学校給食などを通じて子どもの口に入る可能性が高いと伺いました。それを知りながら日本の国内事情の都合で、「汚染の可能性がある魚の缶詰」を支援として提供するのは国として、人間として恥ずべき行いです。
 私たちは日本国外務省にこの問題を指摘し訴えましたが、外務省官僚の誠意のない対応によりこの恥ずべき事業予算はそのまま国会を通過し、貴団体への委託が決まってしまいました。
このことの責任はまず、日本政府とその政府を認めた私たち国民にあり、貴団体が非難を受ける謂れはありません。その責任を承知の上で、日本に住むものとして伏してお願い申し上げます。

1. 提供される缶詰が、必ずしも安全が保障されたものでないことを、提供先にしっかりとお伝えください。もし選択するゆとりがあるならば、周産期の女性と乳幼児はこれを避けるよう指示してください。
2. 日本政府に、提供される物資の詳細、とくに放射能検査の方法内容について逐次明らかにし、誠意ある国際支援を行うことを求めてください。
3. この支援が、本当の安全性はともかく倫理的に大きな問題があるという認識を共有してください。私たちはこれ以上放射能汚染の国際的加害行為に加担したくありません。

最後に、日本国内において魚の「産地」とは、水揚げされた場所を指すものであり、その魚が生息していた場所でもなく、また必ずしもその魚を捕獲した場所でもないことも付記します。
 国際機関として人道的に誠意ある対応を期待いたします。


以上、3点についての貴団体のご考慮と対応、方針についての回答を伺いたく、よろしくお願い致します。
お返事を頂く方法については、後日連絡させて頂きます。
                                                            2012年3月27日
                                                           脱原発の日実行委員会

by fujinomiya_city | 2012-04-05 23:54 | ODA魚缶問題 | Comments(0)


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