2012年 11月 04日
~つづき~ 後は、ご質問その他をお聞きしたほうがいいと思います。 司会の女性: このカルディコット博士の提言を、日本の政府に出されたわけですが、その反応はどうだったのでしょう? 松村昭雄氏: 昨日、鳩山元総理とグループ、現在の大臣も含めて、まあ、僕が今、言ったことはショックだったようです。 そして、ともかく子供を救うということで、訴えていきたいということを言っておりましたから、ま、公明党にも、安倍総裁には来週(お会いするのですが、子供の問題に目をつぶるのであれば、それは、みなさんが怒りを示したらいいと思います。 「子供の問題をサポートしない議員は落ちる」と、いうぐらいのことで、みなさんが立ち上がらない限りは、この問題は無理です。 政治家が「やれる」というお考えでないなら、これは無理です。 とにかく、日本は大変な危機があるんだ、ということが、みなさんの中に認識しない限り、「起きないかもしれない」という希望的観測は難しいと思います。 科学的に明記しておりますから、読んでいただければ。 起きた場合には、本当に「終り」だと思います。 (ここから質疑応答 ここでは松村氏への質問のみピックアップします) 司会の女性: 「海や大気を汚染して、世界から賠償請求があるのでしょうか。 あるとしたら、どのようなかたちなのでしょうか」。 そういう質問があります。いかがですか? 松村昭雄氏: それ、大変重要な質問だと思いますね。 「破局がどういうことか」というのがですね、自衛隊の問題も含めて、ひとつ言えることは、国難であるということは、今まで日本が直面していない、この「国難」という言葉が、もし、みなさんが一致した考えであるならば、民間レベルの会社でやれる問題ではない、ということですね。 じゃあ、民間レベルではなく、国がやる場合に、できるとなれば、犠牲が出ることを知っていながら命令できるのは軍隊しかない、ということなんです。 チェルノブイリ事故の場合には、それしかなかったんですね。 80万人が動員されて、はっきりした数字は表に出ていませんが、内部の話では、10%~20%死んだと言われています。 ということは大変な数ですよ、10万人以上ですよ、チェルノブイリ事故を収束するために犠牲になった軍人の方は。 ですから、その何倍の規模が福島ですから。 チェルノブイリ事故より小さいんじゃないんですよ。 核燃料棒の数も、チェルノブイリの何倍です。 チェルノブイリ事故では、4号機ひとつだけでしたが、こちらは1~6号機と共用プールには6500本も入っているんですから。 それを移動するにはどうしたらいいか、いろんな科学者が検討していますが、いまだに答えがないんです。 どういう捕らえ方をして移動したらいいか。 アメリカのロン・ワイデン上院議員は、福島第一原発を視察してショックだったと。 そして、「東電が言うように、燃料棒の移動には10年以上かかる」と。 「その間に、地震があったらと思うと、ぞっとする」とも言っていました。 それと、賠償の問題は、もし、今の時点での問題と、破局が起きた場合の問題と、二つに分ける必要があると思いすが、今の事態だけでも、50年間、60年間、放射性物質が放出するわけですから、間近いなく、他の国には(損害が)行くと思います。 そうなれば、賠償請求の話は、当然出てくると思います。 で、その例は今までにないです。こんな事故がないから。 しかし、破局が起きた場合は、これは、どの国にも答えはないと思います。 司会の女性: それからですね、自衛隊が福島事故の収束に関わってくれるかどうか、どうでしょうかということなんですけれども。 松村昭雄氏: 素人の直感として、ドイツ、ロシア、フランス、カナダ、アメリカのトップのサイエンティストと話し合った結果、私の結論では民間では無理というものです。 民間では無理ということであるので、私は、アメリカの国防省の友人とも話したぐらいなんです。 ということは、技術的にも、日本だけでできるかと東電の幹部に訊いて、日本だけでできると答えた人は誰もいないです。 日本だけで、この福島の、人類で初めての大事故を収束できると答えた人はいません。 ということは、「世界の叡智を集める」という言葉しかないんです。 そして、叡智が集って、方法論は「危険を冒してやる以外にはない」のです。 ソビエトだからできた、という言い方をする人がいますけれども、ソビエトが共産主義であろうと、資本主義であろうと、人間が犯した間違いを人間の犠牲抜きで国を救うことはできません。 じゃ、それができるのは誰かといえば、自衛隊しかないんですよ。 女性の司会者: それを政府が認めて、他国の軍隊なり、自衛隊に収束をしてもらおうという結論を導かない限り、そういうことはありえない、ということですよね。 松村昭雄氏: こういうことです。 誤解を招かないように。 私は、他の国の軍事関係者とも話しましたが、これだけは一つ言います。 たとえば、日本がアメリカに技術援助をオファーしたとしても、アメリカは兵隊さんは絶対に(日本に)送れないと。 他の国の事故に、自分の国の兵隊さんを死を持って送ることは、どの国の大統領もできないと。 ですから、技術援助、サテライトの援助、あらゆることはするけれども、現場の中に行くのは日本人だけです。 世界の援助にしても、被曝を覚悟の現場には行きません。 (※管理人: 何人かの日本人は、福島の事故も、何か安保の延長上にあるのではないかと勘違いしているようです。 尖閣・沖縄防衛は、日米双方の国益にかなうものです。 アメリカの主権にも関わることですから、アメリカは軍隊を出すでしょう。 しかし、アメリカの大統領に誰がなっても、「あなたの大切な息子さんを、日本の原発事故収束のために致死量の放射線被曝をさせます」と、若い兵隊の親御さんを説得できないでしょう。 日本の親御さんが子供を心配するように、アメリカの親御さんも同じなのです。 「他国の軍隊なり、自衛隊に収束をしてもらおうという結論を導かない限り、そういうことはありえない、ということですよね」という言葉は、極端な言い方をすれば経団連の考え方と同じです。 ただし、一つだけ可能性があります。 それは中国の人民解放軍に頼むことです。 彼らは人口爆発で苦しんでいます。経団連の考え方のように、「金さえ払えば」、数百万人の軍隊を日本に送り込んでくれるかもしれません。 その代償は、日本の領土を中国に明け渡すことです。 この現実を、経団連の老害連中と、民主党の野田、細野、枝野、自民党の安倍、石破、石原(伸)、石原慎太郎、橋下徹たちは分かっているのでしょうか) 女性の司会者: 復興財源が、いろいろなところに流用されているというニュースを、みなさんご存知だと思います。 必要なところにお金が行かないで、火事場泥棒のように持っていかれると。 そして何よりも、いちばん最優先されなければいけない被害者の方たちに、こういう辛い思いを強いているという、本当に理不尽な状況だと私も、あらためて思います。 一昨日ですか、経団連の米倉会長が来て、とにかく泊原発を再稼動させろと、北海道まで言いに来ました。 質問とも絡むのですけれども、経団連が、あらゆる面で原発を死守する、という旗を振っています。 国民が生活を変え、エネルギー問題をなんとか考えようとしているときに、原発輸出も掲げています。 国民の声を、どうこれに反映させることができるでしょうか。 経団連は、本当に御しがたい存在だと思いますが、それについて、お一人ずつ、お考えを伺いたいと思います。 まず、松村さんから…。 松村昭雄氏: これはですね、常識の話を超えたものですよ。 日本で、これだけの災害を起こして、これだけの人が犠牲になり、さらに子供も100万人を超える可能性がある事故を起こしていながら、ベトナムや他の国に輸出しようとしていること自体が、もうじき世界から凄い批難を浴びると思います。 やはり、今、日本に欠けているのは、経済優先の考え方で、こうなってしまったということです。 原子力発電がいちばん安いというのは、それは事故を起こしたときの補償だとか、あるいは使用済みのものを保管する費用、そういうものを計算に入れてないから安いのであって、もし10万年保管する場所まで計算に入れたら、うわぁー、もう凄い高いものですよ。 女性の司会者: (前の回答者、中手聖一氏が投げかけた疑問を、司会者が受け取って) どなたかに、お願いをしたいと思いますけれども。はい。 松村昭雄氏: 今、その質問の中で、いつも僕がニューヨークで日本を見て考えてるんですが、なんでメディアが取り上げないのか。 資本主義(あるいは民主主義)というのは、知る権利をみんなが持つ、というその代表であるメディアが、なぜ書かないのか。あるいは、書けないのか。 ですから、これを思うとですね、これは堂々巡りの話になりますが、私は、これからは、みなさんのソーシャル・ネットワークというものが、いずれ全国紙、全国ネットワークテレビに変わらなければ無理だと思っています。 資本主義の中において、こういう危機が来たときに、書けない、伝えることができない、だから、本当に、指導者の中にも知らない人がいっぱいますよ。(指導者が)隠してるんじゃなくて。 彼らは「知らないって」いうことです。 だから、僕が日本に来て、党の幹部と全部会ってみて、(そのうちの)半分は知っているのに知らないフリをしているけれども、半分は本当に知らないんだと思いましたよ。 このアルバレス博士の計算を言うと、みんな、びっくりしていますよ。 その事故の確率を。4つの事故の可能性を言っただけで、驚いているんですから、あれは僕は隠しているとは思わないですね。知らないっ、ていうことです。 だから、これを資本主義の中で考えたときに、これは経済界の儲け主義という問題と、みなさんが知る権利を持つ-それは今は報道に頼っているけれども、もうみなさん自身が、お互いに自分のことを守る、という考え方を、ソーシャル・ネットワーク、あの、アームスプリングですね、エジプトで起きた。ああいったものが起きてこない限りは僕は無理だと思います。 だから、私が札幌に来ようと思ったのは、泉さん(Shut泊(北海道札幌市:代表 泉かおり氏)や、みなさんがやっている運動が大事だと。 私は、「アジサイ運動」は、三月のときには、わずか300人くらいですよ、金曜日のデモンストレーションは。 それが、泉さんから、「松村さん、国連事務総長に訴えてほしい」という話があったので、手伝いますよ、といって、彼女は80いくつの組織団体から賛同を得て、そしてやったら、ワッと世界に広がるんです。 みなさんは、もちろん気がついていることなんですが、やっぱり、ひとりひとりがですね、僕が日本に来て感じたのは、「松村さん、でも、できないの、しょうがないよ」という諦めた言い方をするんですよ。 我々は、あと何年で死んじゃうんだから、その言い方でいいけれども、その言い方で、みなさんの子供に言ってたら駄目です。 その子供は危機感というものは、絶対に持たないです。 日本の私の印象は、「安全心」と「平和ボケ」。 これほど、日本という母国が、平和ボケ、安全ボケしているしているとは思わなかったです。 それは、みなさんに言っているわけではないんですよ。 日本全体の中で、なんでもっと、あのような運動が立ち上がらなかったのか。 私のような素人が、書かなくちゃいけないと(ブログを)書き出したのは、そういうことですよ。 もう、メジャー・メディアに頼っていたら無理だと。 そう思ったので、世界の著名人の意見を、どんどん出そうと。 ということで、やっと日本のメディアが僕の数字を使うようになったんです。 だけど、みなさんがこれから立ち上がるのに、みなさんの子供には、今、日本が直面している危機は、率直に言わなければならないと思います。 「なんとかなる」という希望的な観測のものは、かえってマイナスだと思いますね。 司会者の女性: 私たちの運動で、すぐに役立つこととか、みなさん、今日、お話をうかがって、じゃあ、自分は何をしようか、何ができるのだろうか、と思われた方がたくさんいらっしゃるかと思うんですが、それをお一人ずつうかがって終わりたいと思います。 (※管理人: これでは駄目です。これはアドバイスを請う問題ではなく、それ以前の「自主」があるかどうかの問題です) 松村昭雄氏: まあ、あの僕の結論は、みなさんが民主主義の中で生きていく上で、唯一のやれることは説教(人に教え諭していく、ということ)しかないんですよ。 みなさんの意見を反映するシステムは選挙です。 ですから、その選挙の中で、どのように有効的に動くかは、みなさんの運動の能力が変えると思います。 私の友人はかなりいますが、アラブのエジプト革命、これは大変な覚悟だったようですよ。 しかし、幸いにソーシャル・ネットワークというツールが、あれを実現させたんですよね。 みなさんなども、現代のツールを使った方法は、一人一人が知恵を絞るしかないと思います。 だけど、その団結は絶対に大きな波になるということは、今のアジサイ運動を見てても思いますから、そこを、みなさんが何か考えるべきじゃないかと思いますね。 民主主義でみなさんができることは、最終的には選挙ですよ。 (松村さんの発言は、ここで終り) ---------カレイドスコープ管理人----------------- 管理人: 「今いる政治家で、子供の疎開に触れない人は許してはなりませんよ!」 ここに出てきた話に関する記事は、以下のアーカイブにあります。 すべて、松村昭雄さんの関連記事です。 http://kaleido11.blog111.fc2.com/?q=%E6%9D%BE%E6%9D%91%E6%98%AD%E9%9B%84&page=1 http://kaleido11.blog111.fc2.com/?q=%E6%9D%BE%E6%9D%91%E6%98%AD%E9%9B%84&page=0 松村さんの「日本が直面しているカタストロフィー」についての話に、シンポジウムの会場は静まり返り、女性司会者さえも何度も沈黙してしまう場面がありました。 事故後、3~4ヶ月ぐらい経った頃でしょうか。 「福島だけでなく関東の子供も相当被曝してしまった。自分の子供と同じように、そうした子供たちを守らなければならない。これは、ハワイの赤ちゃんも同じ、アメリカ西海岸の子供たちも同じように守らなければならない」と、何度か書いたところ、抗議のメールを何通かいただきました。 私は、「日本の親御さんは深刻な病にかかってしまっている。これでは、いずれ、大変な事態を迎えるだろう」と暗澹となったものです。 これは主張などではなく、人の自然な発露であるはずだからです。 松村さんは、このシンポジウムの中で、何度も以下のようなことを強調しました。松村発言の抜粋です。 ・私はチェルノブイリ事故の実証はあるのだから、子供を実験台に使うべきではないと。 ・私が国連会議に参加して、いつも感じるのは、実証が出るかでないか、というのは科学者の遊びに過ぎない、ということです。 ・子供は科学の実験台になるべきではないのです。 ・もし、日本の政治家が、この子供の危機に目をつぶっているならば、私は、5年後、10年後には、また日本の国民の破裂は起きると。 ・日本の子供の問題だという考え方を持たなければ…。被害者か、加害者かだけで見ている感じがしますね。 ・「日本の子供たちを救う」という気持ちが盛り上がらなければ政治家は動きません。 日本中に瓦礫を拡散し、日本の子供を被曝させているだけでなく、避難した人たちに「戻れ」という政治家が、日本の未来を語っている不思議の国・日本。 子供こそが「日本の未来」でしょうに。 「日本の未来」を破壊することばかりやり続けているのに、日本の未来を語る人たち… 滑稽です。 「原発をどうするかはささいなこと」と元東京都知事が言いました。 また、大阪の橋下徹も、「カルディコット博士、橋下大阪市長表敬訪問交渉。橋下は多忙を理由に拒絶の模様」とのこと。 二人とも、政策方針では正反対のようですが、「子供の救出には、まったく無関心の冷血漢」という点で、意外に気が合うかも知れません。 そうそう、「福島の子供に追加被曝検査をさせないことにした」この日本の最高権力者は酒びたりだそうです。 この記事を書くために、周辺情報を検索していたら、こうしたツイートが目に留まりました。 「今いる政治家で、子供の疎開に触れない人は許してはなりませんよ!立派な殺人者ですから!私は絶対に許さないよ!今現に殺されつつある子供たちが大勢いる。一人一人が良心に従った怒りを持って立ち上がり、自分のできうる行動をやれるだけガンガンすべきです!殺人の傍観者になってはならない!!! 」 いいですね、このツイートは。松村さんの主張を、もっと先鋭化させた表現です。 これくらい強い力で子供を守ろうとする迫力のあるお母さんに、もっとたくさんのフォロワーがつくようにならないと、本当に日本の子供たちを救うことなどできないと思います。 心ある議員さんたちも、どうか怖がらずに、この方のフォロワーになるべきです。 それがソーシャル・ネットワークの醍醐味です。議員は、「もっとつながる」べきです。 松村さんの最後の言葉- 「民主主義でみなさんができることは、最終的には選挙ですよ」。 そうです! 次の選挙では、もう失敗できません。私たちの命がかかっています。 「日本の未来」を破壊する国会議員は、容赦なく落選させなければなりません。 私たちのそうした投票行動が、巡りめぐって、結果的に口先き議員たちの命をも救うことになるはずですから。 そのために、このブログを書いています。
by fujinomiya_city
| 2012-11-04 00:20
| ★松村昭雄氏(元国連職員)の話
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