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2013年 03月 16日
引き続き「脱原発」を「それとなく」進める米国
3月16日のメールより

引き続き脱原発を「それとなく」進める米国
 │   カルバートクリフス3号機の認可を拒否
 └────   山崎久隆(たんぽぽ舎)
 この記事は【TMM:No1742】「1.米国でさらに原発1基の閉鎖が決まる。それとなく「脱原発」に進む米国原発事情」の続きである。
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 いよいよ「経済性が理由」だけではないかもしれない「米国の脱原発」への道だが、
今度は新規建設がNRC米原子力規制委員会により許可されない事態が発生した。

 メリーランド州にあるカルバートクリフス原発(ユニスター・ニュークリア社)で、3号機増設について
建設許可を出さないことをNRCが決定したという。
 しかも決定したのは「2013年3月11日」というから穏やかではない。
翌日付のAP通信は配信記事で「NRC upholds denial of 3rd Calvert Cliffsreactor」と報じている。
直訳すれば「米原子力規制委員会はカルバートクリフス3号機の認可拒否を維持」である。
 もともとカルバートクリフス3号機は2010年に一端建設が断念とされている。

問題は資金調達の困難さだった。既に米国では原発、それも新規建設される
原発に対して資金を提供しようとする会社は現れないようだ。

 このユニスターニュークリア社は資本の75%がフランス政府(フランス国営電力Edf)である。
このままでは「米国にあるフランス政府支配の原子力発電所」になってしまい、
それは米国の国内法に触れる。
そのため51%を米国資本に出資してもらうことを前提としての認可手続きだった。
しかしとうとうそのような会社は現れなかったのである。

 その他にもNRCが認可しなかった理由として考えられることは、カルバートクリフス3号機が
欧州型加圧水型軽水炉(EPR)であることだ。
これもまたフランスが開発をした原子炉だ。
技術も、資本もフランスが占める原発は認可されることはなかったのである。

 これが意味することは非常に大きい。
また、認可拒否を決定したのが3月11日であることも意味があるのだろう。
世界中が日本の地震、津波災害に加え原発震災二周年で、
原発の安全性について関心が高まるタイミングで敢えて認可拒否をNRCが決定しているのだから、
その背後にメッセージがあると思うのが自然だ。

 米国は「原子力ルネッサンス」として今後10年で30基程度を新規建設するつもりであったようだが、
ここにきてとうとう一つも実現しないままに廃炉が続く時代に突入した。
原発の運転認可は通常40年、その後延長手続きが通れば最大60年間運転が継続できるが、
それに要する改修費用などが電力会社にとっては重荷になっている。
今後急速に原発基数は減少することになる。
 米国では現在「シェールガス革命」と呼ばれる天然ガス採掘ラッシュが始まっていて、
さながら新たなゴールドラッシュの雰囲気が高まっている。
これでは今後も原発に投資しようという会社は現れそうもない。
 福島原発震災二周年の日に新規原発の認可を拒否したNRCの姿が、そのような米国の未来を象徴している。

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by fujinomiya_city | 2013-03-16 17:56 | たんぽぽ舎から | Comments(0)