人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2012年 05月 05日
B. WHOとIAEAによって発表される公式デ-タは信用できないので、ご注意!
B. WHOとIAEAによって発表される公式デ-タは信用できないので、ご注意! 
B. WHOとIAEAによって発表される公式デ-タは信用できないので、ご注意!_e0242084_17255065.jpg
                      
                   
 2005年9月、IAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機構)は「国連のチェルノブイリ・フォ-ラム」を編成した。そこでチェルノブイリ事故被害の研究結果が公表されたが、首尾一貫性のないひどい代物であった。たとえば、WHOとIAEAは報道発表で次のように述べている;もっともひどく被ばくした人々の場合、将来、がんと白血病で最大4,000名過剰に死亡する可能性がある。しかし、この発表の根拠としたWHOの報告書には実際の死亡数は8,930名と書かれていた。このつじつまの合わない数字についてどこの新聞報道も取り上げることはなかった。しかも、そのWHO報告書の引用元を調べてみると、なんと(!)がんと白血病による死亡数は10,000から25,000以上増えると書かれているではないか・・。


これが本当ならば、合理的に考えて、次のような結論に達する;IAEAとWHOによる公式声明は自らのデ-タを操作したいい加減なものである。チェルノブイリ事故の被害について彼らが発表する内容は、現実に起きていることとはほとんど関係のないものである。


彼らの下部組織のUNSCEAR(放射線の影響に関する国連科学委員会)でさえ、旧ソ連以外のヨ-ロッパでの合計線量(放射線障害のための一般的尺度)がチェルノブイリ地域のそれより高いと推測した。しかし、チェルノブイリ・フォ-ラムは、やはり、このことも考慮に入れていない(訳注:“無視している”という意味)。この大惨事の全放射性物質は次の割合で飛散し降り注いだ;ヨ-ロッパ53%、旧ソ連の汚染地域36%、アジア8%、アフリカ2%、アメリカ0.3%。


セバスチャン・プフルークバイルが2005年にすでに指摘したが、報道発表とWHO報告、そしてその引用元(カルディス ら)には不一致があった。チェルノブイリ・フォ-ラムとIAEA、WHOは自らの分析に基づき、がんと白血病による死亡数は公式発表の数よりも実は2~5倍も高くなるだろうと予想している(訳注:本章第1節と同じ内容の繰り返し。著者らの強い怒りが感じられる)。しかし、これまでこのことを市民に知らせる必要はないと考えてきた。


それから5年ほど過ぎ2011年になっても、国連機関のどの部門もこれらの数字を訂正していない。被害を受けた3つの国から多数の研究結果が報告されているにもかかわらず、チェルノブイリの健康被害に関する最新のUNSCEAR出版物では、それらをまったく無視している。子どもたちと青少年に起きた甲状腺がん及び汚染除染作業員に生じた白血病・白内障の人数が6,000症例 - これが、最新情報として報道発表に追加された唯一の数字である。



2011年、UNSCEAR委員会は以下のように宣言した;「以前のUNSCEAR報告も含むここ20年間の研究をもとに、次のような結論に達した。ほとんどの人にとって、チェルノブイリ事故による深刻な健康被害を怖れる必要はまったくない。唯一の例外として、小児期または若年期に放射性ヨウ素にさらされた人々、そして、高用量の放射線を浴びた汚染除染作業員には、より大きな放射線障害の危険を予想しなければならない」。

by fujinomiya_city | 2012-05-05 02:15 | 本「チェルノブイリの健康被害」 | Comments(0)


<< A.エクゼクティブサマリ-(概要)      C.核戦争防止国際医師会議と放... >>