2013年 10月 13日
「2人に1人はがんになる」のトリック
こちらの記事を転載します。

ACジャパンはCM「日本人の2人に1人ががんになる可能性があります」をがんがん流す。もちろん「早期発見、早期治療が大切」ではあるが、それにしてもあまりにも異様な光景である。
 ACジャパン「みんなが大好きだから」(支援団体:日本対がん協会)
 http://www.ad-c.or.jp/campaign/support/02/

一方、政府と放射線学者は、2人に1人がんになるから100mSv被曝してがんが1%増加しても大差ないからこの程度は許容すべきで怖がる必要はない、という情報を流して、放射能の被曝防護を国民に軽視させる。


トリックの見抜き方(情報を読み解く力)


では、4段階のプロセスでトリックを見抜いていこう。

(1)情報発信者の背景と意図を探り、特に何か相手が得をすることはないかと考える

もちろん、だからといって騙しているとは限らない。それでも、まずは情報発信者にどんな意図があるのかを考えることは、情報を読み解く力の第一歩である。でもこの時点ではまだ安易に判断したり、嘘だと決めつけたり断定してはいけない。
 
・公共広告の啓発活動を行う公益法人のACジャパンはマスコミ関係?
・ACジャパンは政府や電力会社と関係ないのかな?
・ACジャパンのキャンペーンを支援している日本対がん協会は放射線医療学者と関係あるよね?
・日本対がん協会は山下俊一氏を朝日がん大賞で表彰した組織だよね?
・政府と放射線学者は原発の放射能を安心させてがんを増やし、日本対がん協会の支援でACジャパンはがんの不安を掻き立てる。これって真逆で変ですね。でも放射線医療が得するのかな?ひょっとしてマッチポンプ?
・日本に進出しているアメリカのがん保険も得をするのかな?
・政治家・放射線学者にとっては、国民に被曝を我慢させて東電の賠償額を減らせれば、電力会社からお金をもらって得するのかな?

 大手マスコミ「電力10社から年1000億円の広告宣伝費」
  http://www.videonews.com/on-demand/601610/002568.php
 自民個人献金、72%が電力業界
 http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072201000982.html
 大学の原発関連企業からの寄付金等調査
 http://www.ombudsman.jp/nuclear/todaikogakubu.pdf
 総力特集 原発マネーに群がった政治家・学者・マスコミ
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/4845
 日本対がん協会「朝日がん大賞」
 http://www.jcancer.jp/archive/asahi/


(2)受け取った情報を疑って、自分が知っている知識と想像力を使って考えてみる

内容に疑問を持つ。情報を鵜呑みにしないことがメディアを読み解く次のステージである。

・がんが増えているのは本当だろうか?
・まさか企業や学者がすぐばれる嘘はつかないのではないだろうか?
・どの年齢でも2人に1なのか?そんなに多かったのか?
・がんは高齢になるとなりやすいのではないだろうか?
・日本人の寿命が長くなったことと関係ないんだろうか?


(3)何を根拠に述べているのかを調べて、その情報が本当かどうかを確認する

受取った情報が根拠にしている資料はないだろうかとネットで調べ、できれば公式のデータを探す。今回の件ではこんな公式データが見つかった。

 国立がん研究センター
 http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
 同内容の(キャッシュ)
 >国立がん研究センター(がん統計)
   (削除されることもあるのでキャッシュにも残す)


(4)資料の中から彼らが述べていないことを探す

隠そうとしていること、できるだけ言わないようにしていることなどはないだろうかと考える。そうして探すと資料の中にこんな詳細な年齢別のデータが見つかる。
e0242084_21563429.png
(年齢別)がん罹患リスク   がん死亡リスク
  (出典:国立がん研究センター)

生涯でがんになるリスクは男性54%、女性41%なので確かに約半数である。でも年齢別の数字を眺めていると、全く別の光景が見えてくる。

なお低線量被曝(100ミリシーベルト以下)では死亡リスクはがん罹患の50%とされている。がん罹患リスクは100mSvで1%なので、その場合のがん死亡リスクは半分の0.5%である。そのリスクに関して、「日本人の半数はがんになる。すなわち、もともとがん罹患率は50%だから、原発事故の被曝でたとえ発がんが1%、がん死亡が0.5%上がっても影響ない」と、子供の被曝防護さえも軽視して、政府と東電を支える放射線医療学者・医師が多い。

でも年齢別のことについて政府・マスコミ・放射線学者はあまり語ろうとしない。そこから彼らにとって不都合な真実が垣間見えてくる。

1)生涯でがんになるリスクは男性54%女性41%です。だから「二人に一人はがん」は嘘ではない。しかし、がんになるのはその多くがかなり高齢になってからなのです。しかも60歳でも男性7%女性10%にとどまり、70歳で男性19%女性16%、80歳でもまだ男性37%女性25%です。

2)ガンの年齢別の罹患リスクは長年ほとんど変わっていません。がんが増えたのは日本人が長生きになったからです。がんは細胞の老化の結果でもあります。他の病気が減って長生きになり、日本人の平均寿命が長くなれば、結果的に生涯の疾患や死因でがんが増えるのは当然のことです。

3)それに比べ子供や若者のがんは実はとても少なく、10歳0.1%、20歳0.2%、30歳で約0.5%です。40歳でも男1%女2%、50歳でも男2%女5%です。だから子供や若者にとっては、政府や学者が言う被曝でがんが1%増えることは大差ないどころか、大変なことなのです。

4)もし子供たちが被曝して患者が1%も上昇すれば、10歳なら0.1%が1.1%になり11倍、20歳なら0.2%が1.2%になり6倍、30歳でも0.5%が1.5%になり3倍にもなるのです。しかも子供の放射線への感受性が大人の5倍近く高くて、大人より放射線の影響を受けやすいのです。

このように原発事故の影響は子供や若者ほど大きくなります。もし被曝防護を軽視すれば、本来なら健康に育つはずだった子供と若者の多くが、5年後10年後に苦しむ可能性が大幅に増えるのです。


安心させてがんを増やし、不安にさせてがん検診と治療を増やす

ACジャパンのCMを支援しているのは放射線医療学者・医師が関わる日本対がん協会です。厚生労働省も同じ理由でがん検診の受診率向上を訴えていますが、どちらも年齢別については触れません。 厚労省「がん対策について」 http://www.mhlw.go.jp/seisaku/24.html

政府と学者・医師は原発事故でがんが増えても大差ないから被曝は心配ないと国民を安心させ、その一方で早期発見と早期治療を訴えるのです。「2人に1人はがん」を理由に国民に被曝防護を軽視させてがんを増加させ、「2人に1人はがん」になるからと必要以上に不安にさせてがん検査を勧めるのです。がん検診のリスクにも触れません。

「歯磨きをしなくても安心。でも検査と早めの治療が大切です」なんて言う歯医者はいません。もしいたら金に狂った極悪な歯医者です。でも、おかしなことに、政府と学者・医師にとって国民は「被曝防護をしなくても安心。でもがん検査と治療は大切」なのです。まるでお金欲しさで心を失った歯医者のようです。

2人に1人はがんだと洗脳されて国民が原発と放射能をあきらめれば政府は原発を推進できます。原子力学者と原発企業と電力会社は得をします。東電の賠償も減ります。国民が被曝防護を軽視してがん患者が増えれば、医療費増で儲かる人がいます。子供たちも含めた国民の命と健康を踏み台にして、政府と医師学者、電力会社と原発企業の利害は一致しています。

政府とマスコミと放射線学者は正確な情報を国民に伝えるべきです。放射能の危険と被曝防護の重要性を訴えて国民のがん増加を抑え、その上で、がんの年齢別の現状を伝えて適切な早期発見と治療を啓蒙すべきです。


騙されないための底力をつけよう


現代社会には巧妙な欺瞞に満ち溢れている。あまりにも欺瞞が多いので、いつまでも人に種明かしをしてもらうだけではわが身を守れない。だから騙されない力、自分で情報を読み解く力をつけよう。

地球温暖化、電力不足、資源リサイクルなど一見正しく思えることは本当に正しいのだろうか?誰かにそう思わされているだけでないのだろうか?そんな疑問を持つことが情報を読み解く力を養います。ここで示した「二人に一人はがんになる」もその一つです。

ここではトリックに気づく力を整理して、情報社会をたくましく生きていくためのメディア力をここに伝授する。ぜひよく理解して身につけよう。

(1)~(4)の4つの段階があり、重要なポイントは印の4点です。

嘘をついて騙すのはBランクレベル。程度が低いので見抜くのは簡単だ。

(1)情報発信者の背景と意図を探り、特に何か相手が得をすることはないかと考える

(2)受け取った情報を疑って、自分が知っている知識と想像力を使って考えてみる

(3)何を根拠に述べているのかを調べて、その情報が本当かどうかを確認する

Bランクレベルなら、この段階で真偽がすぐ分かる。


しかし、これで本当だと分かった時に、そうかやっぱりこれは真実なんだと簡単に思ってはだめです。まだまだ甘い。そんなままだと今後、振り込め詐欺も含めて社会の諸悪に騙され続けるのは目に見えています。まさに相手の手の内、相手の思う壺です。

実は本当の言って騙す手法ことこそが、良く使われる手口なのです。『賢い』彼らは『嘘をつかない』で『嘘をつく』。すなわちAランクレベルは都合のいい真実だけ言って、不都合な真実は言わないのです。

これこそがAランクの手口です。さすが簡単には尻尾をつかませない。Aランクかも知れないから、いつも次の段階に進む必要があります。

(4)資料の中から彼らが述べていないことを探す

もし彼らがAランクレベルならば決して不都合な真実は語りません。だからこそ、自分で気づく力が必要です。すなわち何を述べたことではなく、何を述べていないかを見つけ出すのです。これこそが、現代社会を生きる情報力であり、情報を読み取る力としてメディアリテラシーの奥義です。

そして数字から目をそむけずに数字を見つめて読み取る力も必要です。ただし難しい微積分や関数のような高等数学ではありません。自分の長年の社会経験を背景にしてデータや数字をじっと眺めていれば、ある時にふと何かに気づくのです。

例を示そう

【Bランクの例】
山下俊一氏は原発事故後に福島の人に「放射線の影響はニコニコ笑っていると来ません。これは明確な動物実験で分かっています」と言った。まず疑問に思うことが大切だ。笑っていると免疫が高まることは聞いたことがあっても、笑うと放射線に強くなるって本当だろうか?動物実験で明らかだと言っているけど、ニコニコ笑う動物ってなんだよ?そんな疑問が湧いたら自分で調べてみよう。

 山下俊一氏の発言
 http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-1235.html


【Aランクの例】
消火器を高額で売る詐欺師はカッコ内の事は言わない。人を騙すけれど、何も嘘をつかない。「消防署の方から来ました。(でも消防署の署員ではありません)万が一のために消火器があると安心です。(普通に1万円で買える消火器ですが)今なら3万円で特別に売っています」

枝野幸男氏は原発事故後に「ただちに健康に影響はない」を繰り返した。結局、8カ月後の11月8日の衆議院予算委員会質疑で「ただちに健康に影響はない」という発言は「1年間で健康に影響を及ぼす可能性があるということで定められた基準値について、万が一、一度か二度、体内摂取したとしても健康に影響を及ぼさない」という意味だったと答弁した。しかしそれでも当初言っていた「ただちに健康に影響がない」という言葉に嘘はない。さすが弁護士である。
 枝野幸男氏の答弁
 http://www.youtube.com/watch?v=ftG5epYmd2U&t=0m10s


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by fujinomiya_city | 2013-10-13 21:53 | 健康・被曝 | Comments(0)


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